ほんとうに「サンジップ」は「ユニパック」の相当品なのか?
私が誠意をもって実験しましたが、あくまで素人の実験です。目安としてお考えください。もちろんこの実験をメーカーが保証するものではございませんし、この実験でのデータが必ず毎回再現されるものではありませんことご了承ください。
当社ではシーアイ化成のチャック付きポリ袋サンジップをユニパック相当品として販売してきました。
チャック付きポリ袋は先端技術商品ではなく、いわゆる枯れた(こなれた・安定した)技術商品ですから、電球や蛍光灯などと同じように、メーカー間で違いが出るような製品ではないし、ましてサンジップは日本の一部上場企業製ですから、外国製の「パチモノ」ともちがいます。そこで私自身は「相当品」という説明で十分かと思っていました。しかしお客様から「本当に同じなのか?違いはないのか?」という質問が結構あり、私自身、これらの商品の本当のところは分からなかったので、この際実際に比較実験をしてみることにしました。値段的には完全に勝っているサンジップ、今回の機能実験でもぜひユニパックに勝ちたいところですがはたして結果は・・・
実験材料
宿敵ユニパックJ-4タイプチャック付きポリ袋
*当社での販売が一番多いチャック付きポリ袋の品種J-4とした。
*ユニパックJ-4とサンジップJ-4を1ケースではなく一束づつ公平を期するため通信販売で購入した。
測定機器
・デジタルマイクロメーター(ミツトヨ)
・30cm・50cm定規
・剥離強度検査機(今田製作所)
・透過型レーザーセンサー(キーエンス)
チャック付きポリ袋実験メニュー
@サンジップとユニパックの見た目の相違点
A寸法測定
B厚み測定
Cフィルム強度測定
Dシール強度測定
Eチャック強度測定
Fレーザーセンサーによる透明度測定
G浸透液によるピンホール検査
番外編 水を700cc入れた状態で落下させなんcmの高さで破袋するか。←この実験の評価はご自身で行ってください☆
実験
サンジップ ユニパック
@サンジップとユニパックの見た目の相違点
サンジップとユニパックを見比べて相違点を列挙してみます。(主観です)
サンジップはユニパックに比べて見た目あまり違いはない。強いて言うなら
サンジップはユニパックに対して・・・
・シールの幅が2倍くらいひろい。
→ユニパックは0.3mm位だがサンジップは0.5mmくらいある。
・チャックの下2cmくらいのところが帯状に透明度が低い。
→チャックの直下で内容物からの突き上げがあった際の強度を強化するために多少厚くしていると思われる。
・透明度が低いところのフィルムが多少うねっている。
結論 サンジップとユニパックの外観はほとんど違いない。
A寸法測定
チャック付きポリ袋の材料であるポリエチレンは伸びやすくたるみやすいので測定時に一定の力をかけながら測定しないと本当の長さはわかりません。今回は機械を使って一定の力をかけるという難しいことはせずに同じ人間が同じ軽い力(おおむね200g)で引っ張るつもりで測定しました。
サンジップ | ユニパック | 公称 | |
---|---|---|---|
チャック下 | 343mm | 344mm | 340mm |
幅 | 241mm | 241mm | 240mm |
深さ | 358.5mm | 361mm | |
ベロ | 3mm | 4mm |
結論 サンジップとユニパックの寸法はほとんど違いがない。
*公称チャック下340mm×幅240mmですが、サンジップ、ユニパックともに少し大きめに作ってあります。
B厚み測定
公称0.04mm=40ミクロン(40μ)ですが実際はどうでしょうか。
チャック付きポリ袋に限らず、フィルム製品全般にいえますが、偏肉といって場所によって厚みに違いがある場合がよくあります。それをさけるため袋の幅方向の中心で定めた3点で測定しました。
A点の測定風景
測定結果
サンジップ | ユニパック | |
---|---|---|
A点 | 42μ | 36μ |
B点 | 42μ | 36μ |
C点 | 42μ | 36μ |
平均 | 42μ | 36μ |
結論 サンジップのほうがだいぶ厚い。
*この程度の公称値との差は容認できるものなのか・・・いやすみません、測定器も公正とかしてませんのでこちらの問題かもしれません。(ゼロ点設定はそのつど行っていますが・・・)
Cフィルム強度測定
袋の幅方向の中央付近を幅15mm長さ100mmに切り出します。
検査機にまっすぐに材料をセットします。
ゆっくり引っ張ります。フィルムが伸びているのがわかります。?
引っ張りきるまでにかかった重さが右側に計器に表示され、最大値が保持されます。
さて結果です。
サンジップ=0.64kg/15mm ユニパック=0.62kg/15mm
結論 袋の縦方向のフィルム強度は若干サンジップのほうが強い。
Dシール強度測定
袋のサイドシール部分を切り取ります。15mm×(50mm+50mm)
フィルム強度測定と同じようにセットしてゆっくり引っ張ります。
予想に反してサンジップ、ユニパックともどもシール部分が破断せずフィルム部分が伸びてしまいました。
つまりシールそのものの強度のほうがフィルム強度より強いということです。
サンジップ=1.41kg/15mm ユニパック=1.11kg/15mm
これはシール強度ではなく袋横方向のフィルム強度という解釈になります。
サンジップ、ユニパック双方、フィルムの縦方向に比べ、横方向の強度がかなり大きいことがわかります。さらにシール部強度よりフィルム強度が弱いことから破袋にいたる力が加わった場合でも、シール部分から破壊されることは少ないことがわかります。
結論 シール強度は測定不能だがサンジップ、ユニパックともに十分である。
*横方向のフィルム強度はサンジップのほうがかなり強いです。
Eチャック強度測定
チャック部分で計測してみました。
やや、また予想に反してチャックがはずれず、フィルムが伸びてしまいました。
結論 チャック強度は測定不能。袋内部から大きな圧力がかかった場合、チャックが内側から外れる前にフィルムが破壊されるので、サンジップ、ユニパック双方ともチャック強度は十分である。
Fレーザーセンサーによる透明度測定
専用の測定器は当然持ち合わせていませんのでフィルム位置検知用のレーザーセンサーを流用してみました。
黒のセロテープ 数値 4
空間(なにもおかない) 数値 6063
サンジップ 数値 4372
ユニパック 数値 4324
表示 | |
---|---|
黒いセロハンテープ | 4 |
空間 | 6063 |
サンジップ | 4372 |
ユニパック | 4324 |
結論 サンジップとユニパックの透明度はほぼ同一。
G浸透液によるピンホール検査
メーカーはそもそもピンホールの有無を保証していません。しかし一応試験してみました。
浸透液スプレー、通称「エージレス検査スプレー」です。これを袋のなかにスプレーすると、ピンホールに浸透し赤い液が表面に出てきます。表面やシール部分をティッシュで拭くと、ピンホールがある場合、ティッシュが赤く汚れてピンホールの存在を知ることができます。
5分放置しましたがサンジップ、ユニパックともピンホールは検出できませんでした。
結論 メーカーは保証していないが、サンジップ、ユニパックともピンホールは検出されない。
番外編 水を700cc入れた状態で落下させなんcmの高さで破袋するか。
この実験の結果はサンジップとユニパックで大きな違いがでました。しかしこのような用途向けにメーカーは製造しているわけではございませんし、必ず同様の現象が再現されるか私自身、自信がありません。ですのでこの結果をまったく無視していただいてもいいでしょう。実験はしたのでのせるだけのせておきます。
1.実験準備
予備実験として、サンジップに700ccの水をいれ腰の高さから平らなコンクリートに落としました。その際破袋は認められませんでしたので、実験開始高さを腰の高さ、90cmとしました。その後20cmステップで高くしていきます。
2.実験開始
90cmの高さから落とす。
3.高さ90cmの結果
なんとユニパックは袋の中ほどに亀裂が入り水が漏れ出しました。サンジップは予備実験のとおり無傷です。
袋の底と平行に2cmくらいキズが入りポタポタもれ始めています。
4.サンジップは?
なんとなんと、サンジップは90・110・130・150cmすべてクリアーです。
110・130・150cmクリアです!
5.限界に挑戦!180cmでどーだ!
左側はとっくに脱落したユニパック。右側が180cmの高さから落下し、ころげたサンジップ。
おめでとう!サンジップ180cmクリアーです☆
結論 サンジップはユニパックより断然丈夫である。
*おそるべしサンジップ、180cmでもやぶれませんでした☆(この衝撃でもチャックはひらきません!!)
ご参考になりましたでしょうか?
このようにサンジップはユニパック以上の機能を持っているといえます。すべての用途でこの機能が生きるかどうかは不明ですが、ぜひ一回サンジップをつかってみてください!ユニパックJ-8(80ミクロン)のユーザーならサンジップJ-4(40ミクロン)で事足りるかもしれませんから☆(いいすぎかな?)
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